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犬小説

ほらね。やっぱり猫の方がかわいいから・・・
めちゃめちゃダークな犬小説紹介しちゃいます

犬たち犬たち
(2009/04/23)
レベッカ・ブラウン

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 ある日突然「わたし」の家にあらわれたドーベルマン風の黒いメス犬。ペット禁止の狭いアパートにそのまま居座ってしまう。
なぜか「あたしの一生~猫のダルシーの贈り物」と同じく、飼い主が女性で独身で教師(?)。しかしこのグロテスクぶりは、まるで「猫のダルシー」ほか、あらゆるスウィートなペット小説へのアンチテーゼのよう。
名前がなく、「ミス・ドッグ」と呼ばれることになった黒犬は、美しくて凶暴でサディスティック。
この飼い主の世界は、祖母や行きずりの女の子まで、ほとんど女性のみで完結していて、男やオス犬の影がない。にもかかわらず単性生殖のように仔犬を産みまくるドッグの姿は、なんだか「エイリアン」シリーズのクイーン・エイリアンみたいな。仔犬たちを率いて傍若無人に部屋を占拠し、人間を醜く無様なものとして嘲笑し、ついに人と家畜の立場を逆転させてしまう。
 
シュール・ファンタジーなので、ドッグの天使から悪魔への変身は笑っちゃうくらいカゲキ。
でも、ドッグとの最初の蜜月が過ぎたあたりで主人公が語る
「常につきまとわれて一人になれない……」
「好きで許していたことが義務と化し、親密さは侵入に変わった……」
など、ちょっとドッキリ。
現実に、どんなペットと飼い主の間にも起こりうることだと思うので。
人間である主人公が愛と癒しを求めたのに対し、犬たちがしかけてくるのは支配と服従をめぐる野蛮なゲーム。
負ければ、家は彼らのものとなってしまう。
それが彼らの獣としての本性だから。
主人公は「犬たちは残酷だけど、間違っているわけではない」と諦めをこめてつぶやく。
だけどこの、アウトローと呼ぶにはどうも情けないやられっぱなしの女、犬たちとの死闘を通して立ち向かうことを、そして、最後に自分を救えるのは自分だけだと学んでゆく……。

 新品のようにキレイなのに古本屋で超安くてしかもおもしろいという掘り出し物の本だった。ほんとにたまたま迷い犬をひろったようなラッキーかも。





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テーマ: 飼い主の日常生活 - ジャンル: ペット

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